リウマチコラム

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関節リウマチの治療は、新しい薬の登場もあり、以前に比べて寛解(関節リウマチの症状が、ほぼ消えて、病状がコントロールされている状態)を得られる方が増えてきました。しかし、関節リウマチは、医師から薬物治療などを受けると同時に、患者さん自らが日常ケアを通して、積極的に治療に参加することが必要であるといわれています。
今回のコラムでは、名古屋大学医学部附属病院 整形外科・リウマチ科の小嶋俊久(こじま としひさ)先生に、関節リウマチの患者さんが、日常ケアとしてリウマチ体操を取り入れる意味、そして、その活用法についてお話をうかがいました。

関節が固まるのを防ぐためには、週2~3回のリウマチ体操が有効

関節リウマチの治療は、基礎療法や薬物療法などと一緒に、 リハビリテーション療法 (リハビリ)を行うことがとても大切です。リハビリというとおおげさに聞こえるかもしれませんが、日常生活のなかで無理なく行えるリハビリが、「リウマチら・ら・ら」で紹介している リウマチ体操 です。週2~3回のペースで生活にとり入れてください。

リウマチ体操の目的は、大きく2つあります。1つは、関節の動かせる範囲(可動域)を保つこと、もう1つは、関節がどれくらい動くか、関節の状態を自己観察することです。それぞれ少し詳しくご説明しましょう。

まず可動域についてですが、関節は使わずにいると固くなり、動かせる範囲が狭くなってしまいます。これは可動域が小さくなるともいいます。このような状態になると、関節の場所にもよりますが、ものがつかみにくい、棚の上のものがとれない、洗髪が困難になるなど日常生活に支障をきたします。それを防ぐ有効なリハビリがリウマチ体操です。

当サイトで紹介しているリウマチ体操は、関節をバランスよく動かすようにプログラムされていますので、長く続けることによって、関節が固まるのを防ぐ効果があります。

リウマチ体操を上手に行うポイントは、痛みを感じない程度に動かすことです。痛いのを我慢してまで頑張って動かそうとすると、筋肉が緊張して十分に伸びなくなるため、かえって逆効果なのです。

そもそもリウマチ体操の目的は、負荷をかけて可動域を広げることや、筋力をつけることではなく、あくまでも関節の可動域を保つこと。それを忘れずに、リラックスした気持ちで行いましょう。お風呂上がりなど、体が温まっているときに行うと、関節が動かしやすいので試してみてください。

関節の状態がいちばんわかるのは患者さん自身。自己観察から結びつく適切な治療

次に、なぜリウマチ体操で関節の状態を自己観察することが大切なのかをお話ししましょう。

小嶋先生
「リウマチ体操など日々のケアを行うことで、関節の状態に意識がむくことになります」

リウマチ体操を行っていると、前回行ったときと同じくらい関節が曲がるかどうか、あるいは、曲がる角度(可動域)が最近小さくなってきた、また、以前よりも楽に関節が動くようになった気がするなど小さな変化に気づきやすくなります。このように、関節の状態に自然に意識が向くようになることが、リウマチ体操の大きな意義の1つです。

関節リウマチの治療では、患者さん自身がご自分の病気について理解し、日常生活の管理を行うことがとても大切です (基礎療法) 。病院で行う検査の数値や医師が行う身体機能の評価から得られる客観的なデータも患者さんの状態を把握するうえで必要なものですが、関節がどれくらい動かせるのか、こわばりや痛みの程度はどれくらいかなどは、患者さん自身がいちばんよくわかっているはずです。

「どの関節がいつ頃と比べてどのくらい曲がりにくくなったか」など、リウマチ体操を行っていて気づいたことを、次回の治療の際に医師に伝えていただければ、治療計画に大きく役立ち、タイミングよく適切な治療に結びつきます。

また、関節の動きが保たれて、よい状態が続いていることを日々実感できれば、気持ちがポジティブになり、治療への意欲もわいてくるでしょう。その結果、病気の状態もさらに上向くということが実際によくあります。

自己観察は、病気の自己管理、さらには患者さんの治療参加につながっていきます。関節リウマチの治療は薬物療法の進歩によって大きく変わり、薬物療法で病気自体をよくすることができるようになりました。さらに、そこへリウマチ体操などをとり入れて、患者さんが「自分でできること」を積み上げていくことが大切です。そうすることで、より長い期間、よりよい状態を維持することが期待できます。

ここがポイント!リウマチ体操

次回は、リウマチ体操の具体的な目標設定についてお話いただきます。

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Vol.11関節リウマチに合併しやすい「シェーグレン症候群」への対策~乾燥による不快症状を改善するために~ 筑波大学医学医療系 内科(膠原病・リウマチ・アレルギー) 教授 住田 孝之先生
Vol.10関節リウマチ治療の経済的課題(後)東京女子医科大学附属 膠原病リウマチ痛風センター 講師 田中 榮一 先生
Vol.9関節リウマチ治療の経済的課題(前)東京女子医科大学附属 膠原病リウマチ痛風センター 講師 田中 榮一 先生
Vol.8 リウマチ患者さんの災害準備と対応(後)実際に避難所生活を送ることになったら 独立行政法人 国立病院機構 仙台西多賀病院 リウマチ疾患研究センター センター長 齋藤 輝信 先生
Vol.7 リウマチ患者さんの災害準備と対応(前)いざというとき本当に役立つ「災害への備え」独立行政法人 国立病院機構 仙台西多賀病院リウマチ疾患研究センター センター長 齋藤 輝信 先生
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