リウマチコラム

バックナンバー
コラム5タイトル

関節の可動域を保つ効果のあるリウマチ体操は長く継続することで効果を実感できる一方、三日坊主になりがちな面も……。
そこで前回に引き続き、本サイトのリウマチ体操を監修いただいた名古屋大学医学部附属病院整形外科・リウマチ科の小嶋俊久先生に、リウマチ体操を継続するコツをじっくりうかがいました。

何のためにリウマチ体操を行うのか、目標があれば意欲が湧く

関節の動かせる範囲(可動域)を保つのに有効なリウマチ体操は、漠然と行うよりも、日常生活に沿った目標を設定したほうが、意欲が湧いて効果も上がりやすくなります。

肩が上がりにくくなってきたと感じたら「洗髪や整髪が支障なくできるようにする」、ひじが曲がりにくくなってきたと感じたら「洗面ができる状態を保つ」というように、日々行っている具体的な動作を目標に設定しましょう。

髪を洗う、髪を整えるなどの動作は肩の関節が120~130度上がると無理なく行えます。

顔を洗うなどの動作はひじの関節が130度くらい曲がると無理なく行えます。

手首は手のひらを返す動きをするときに180度回転しますが、そこまで動かせなくても、150度程度回転させられれば、丸型のドアノブでも開閉に問題なく、日常生活に大きな支障はないでしょう。


【具体的な目標の例】




「絵画が趣味の人は微妙なタッチを描くための筆使いをするために手指の関節の運動をするなど、具体的な目標があるといいですね」

これらはあくまでも目安ですが、具体的な目標を設定すると、関節の可動域を保とう、リウマチ体操を続けていこうという気持ちが強くなります。それは私が多くの患者さんと接してきて感じることなので、このコラムを読んでいらっしゃるみなさんにもぜひ実行していただきたいと思います。

設定する目標は、日常生活の動作に限りません。仕事や趣味を続けるのに必要な動作があれば、それを拾い出してどのくらい関節が動けばよいかチェックし、リウマチ体操の目標にしてもよいでしょう。

可動域が保たれると筋力がつき、動作がスピーディーになる

前回のコラムでもお話ししたように、リウマチ体操は、痛みを我慢してまで行うものではありません。だからといって、痛いからとすっかりやめてしまうと、関節の状態はなかなか上向きません。

日常の細かい動作を行う肩やひじ、手首など上半身の関節の可動域を保つことは大切ですが、股関節や膝など下半身の関節が動きにくくなると、全身の活動量が低下するため、注意が必要です。活動量が低下した結果、お尻や太ももなどの筋肉が衰え、寝たきりや要介護の主要な原因であるロコモティブシンドロームのリスクが高まってしまうのです。

股関節や膝関節(しつかんせつ)は、曲がる角度だけでなく、まっすぐに伸びないことも動作の制限につながるので、リウマチ体操の際にしっかり確認しましょう。

リウマチ体操を続けて関節の可動域が保たれれば筋力の低下も免れ、多くの方は体の動きがスピーディーになって活動量も増えます。
関節リウマチに限りませんが、治療が進歩したといっても、それは魔法ではありません。病気とうまく付き合いながら、いくつかの治療法を組み合わせていくことが、もっとも効果的な改善への道です。

リウマチ体操は地道に取り組むことが求められるため、地味に映るかもしれませんが、継続することによって、関節の可動域を保ち、治療効果を実感させてくれます。

皆さんの関節を守り、日常生活を守るためにも、本サイトのリウマチ体操動画が役立つことを願っています。

バックナンバー
Vol.11関節リウマチに合併しやすい「シェーグレン症候群」への対策~乾燥による不快症状を改善するために~ 筑波大学医学医療系 内科(膠原病・リウマチ・アレルギー) 教授 住田 孝之先生
Vol.10関節リウマチ治療の経済的課題(後)東京女子医科大学附属 膠原病リウマチ痛風センター 講師 田中 榮一 先生
Vol.9関節リウマチ治療の経済的課題(前)東京女子医科大学附属 膠原病リウマチ痛風センター 講師 田中 榮一 先生
Vol.8 リウマチ患者さんの災害準備と対応(後)実際に避難所生活を送ることになったら 独立行政法人 国立病院機構 仙台西多賀病院 リウマチ疾患研究センター センター長 齋藤 輝信 先生
Vol.7 リウマチ患者さんの災害準備と対応(前)いざというとき本当に役立つ「災害への備え」独立行政法人 国立病院機構 仙台西多賀病院リウマチ疾患研究センター センター長 齋藤 輝信 先生
コラム6タイトル
コラム4タイトル
コラム3タイトル
コラム2タイトル
コラム1タイトル