関節リウマチの症状

関節リウマチの症状は関節のこわばりや痛みだけではありません。症状は、大きく関節の症状と関節以外の症状に分けられます。
関節の症状としては、朝起きたときの手足のこわばり、複数の関節の腫れや痛みがあり、病気が進行すると、関節に変形がみられるようになります。関節以外の症状には、微熱や全身のだるさ、疲労感などがあります。

関節リウマチは、細胞と細胞の間にある組織(結合組織)や血管にも炎症が起こる全身の病気なので、関節以外の症状にも気をつける必要があります。

関節の症状


●手足のこわばりや腫れ、痛み

関節の症状は、関節を包む滑膜の炎症が原因です。炎症は手足の小さな関節に起こりやすく、長い経過を通してみると左右対称にあらわれるという特徴があります。
手の指や手首、足の指のこわばりや腫れは初期からみられます。とくに、手の指の第2関節と第3関節は症状があらわれやすく、ほとんどの患者さんにみられます。また、足の指の付け根の関節にみられる症状は、関節リウマチに特徴的なものです。

症状があらわれやすい関節


具体的には次のような症状があります。
関節が腫れている。
ものがつかみにくい。
手や指に力が入らない。
細かい作業がしづらい。
歩行時に痛みが走る など。

●手足の指の関節の変形


関節リウマチが進行すると、炎症によって関節が破壊されて変形することがあります。とくに手や足の指は、骨と骨が向かい合って関節包で包まれているだけの構造なので、骨がずれて変形しやすいのです。

手の指の変形には次のようなものがあります。

尺側偏位

親指を除く4本の指の、付け根の関節の炎症によって起こる

ボタン穴変形(ボタンホール変形)

第2関節の炎症によって起こる

スワンネック変形(白鳥の首変形)

第3関節の炎症によって起こる

Z型変形

親指の第1関節の炎症によって起こる

ムチランス変形(オペラグラス変形)

炎症のために関節の骨が破壊されて、指が短くなる。指を引っ張ると伸び縮みする


足の指の変形には次のようなものがあります。

外反母趾

親指の付け根の関節の炎症によって起こる

槌指

親指以外の指の関節の炎症によって起こる

重複指

足の指の炎症が長く続くことによって起こる



●手足以外の関節の症状

滑膜の炎症は、肩やひじ、股関節、ひざなど全身の関節に起こります。ひざの症状から始まることもあります。

ひざの症状
炎症によって滑液が大量に分泌され、ひざ関節の中にたまると、関節水腫となってひざが腫れます。さらに、骨が破壊されるようになると、動かしたときに強い痛みがあらわれたり、関節が変形したりします。

内反膝(ないはんしつ):両ひざが外側に変形した状態でO脚ともよばれる
外反膝(がいはんしつ):両ひざが内側に変形した状態でX脚ともよばれる
波形ひざ:両方のひざが左右のどちらかに向いてしまう変形

立ったり座ったりが不自由になる

歩行が困難になる


股関節の症状
関節リウマチの進行に伴って、股関節に症状があらわれる人がいます。股関節の破壊が始まると進行がはやく、強い痛みがあるのが特徴です。滑膜の炎症による股関節の破壊のほかに、ステロイド薬の副作用や血管炎によって大腿骨頭壊死が起こることもあります。

立ったり座ったりが不自由になる

歩行が困難になる


肩やひじの症状
初期は肩が痛む、上げにくいといった四十肩、五十肩に似た症状があらわれます。肩関節の破壊が進むと、腕が上がらなくなり、ひじ関節の破壊が進むと、ひじが曲がったまま動かなくなることがあります。

洗顔や洗髪がしにくくなる

服の脱ぎ着がしにくくなる


首の骨(脛骨)の症状
首の骨は7個あり、そのうち上から1番目と2番目に炎症が起きやすく、その部分の骨がずれたり亜脱臼を起こしたりすると、後頭部の痛みなどの症状があらわれます。進行すると、神経が圧迫されてしびれ感や脱力感、細かい作業ができなくなるなどの症状がみられるようになります。

箸を使うなどの動作ができなくなる


関節以外の症状

●微熱や全身のだるさ、疲労感など

関節リウマチの炎症は、全身におよびます。そのため、とくに炎症が強いときは、微熱が続いたり、だるくて疲れやすいなど全身の症状があらわれます。

●リウマチ結節

ひじの外側など骨が出っ張っている部分に、「リウマチ結節」(「リウマトイド結節」ともいう)というコブができることがあります。痛みはありませんが、炎症が強くなると大きく固くなり、炎症が治まると小さくやわらかくなります。

●間質性肺炎

肺の間質という組織に炎症が起こり、線維化(組織が固くなること)していく病気です。線維化が進むと肺の弾力が失われ、息切れや呼吸困難がみられるようになります。

●血管炎

血管の壁の内側に起こる炎症で、さまざまな症状を引き起こします。内臓の動脈に血管炎が起こることもあり、とくに心臓の血管に炎症が起こると弁膜症や心膜炎、あるいは心筋梗塞につながるため注意が必要です。
このような血管炎が重症化するタイプを「悪性関節リウマチ 」といいます。

血管炎の症状
・爪の周囲に点状出血、皮疹や発疹、紫斑
・皮膚の潰瘍(かいよう)
 ひざから足首までにできることが多く、皮膚に穴があく
・手足の指の壊疽(えそ)
 指の先にできやすく、壊死(えし)に至ることもある
・しびれや感覚マヒ
 お湯や水に触れても温度を感じなかったり、スリッパが脱げやすいことなどで気づく
・目の症状(上強膜炎、強膜炎)
 白目の充血や目の痛み

●骨粗鬆症

骨がもろくなる骨粗鬆症は、骨の新陳代謝のアンバランスによって起こります。関節リウマチになると、新しい骨をつくるスピードよりも古くなった骨を壊すスピードの方が速くなるのです。痛みや腫れのある関節の近くの骨に骨粗鬆症が起こりやすいという特徴があります。
ステロイド薬の影響や、女性の場合は閉経を機に女性ホルモンが急に減ることも関係します。

●貧血

炎症物質の作用で、血液中で酸素を運ぶヘモグロビンの産生が妨げられるため、関節リウマチの人の多くに貧血がみられます。