リハビリによる治療

リハビリは無理なく行う

関節リウマチの治療では、発症の初期からリハビリテーション療法(以下、リハビリ)を行うことが重要です。なぜなら、関節は動かさないと周囲の筋力が低下します。すると、動かせる範囲(可動域)も狭くなり、徐々に日常生活が不自由になってしまうからです。また、筋肉がやせて筋力が衰えることも防がなくてはなりません。関節や筋肉の機能を守り、日常生活の質(QOL)を維持するためにリハビリを行いましょう。

ただし、過度に動かすと炎症が悪化することもあるため、リハビリの進め方には注意が必要です。どのような運動をどのくらい行ったらよいか、どのような変化に注意すればよいかなど、担当医に説明を受けましょう。

病気の状態によっては、医師の処方に基づいて理学療法士や作業療法士が指導する、医学的リハビリテーションが受けられることもあります。

リハビリテーションの本当の意味

「Rehabilitation(リハビリテーション)」は、「re(再び)」と「habilis(適した、ふさわしい)」から成り立つ言葉です。WHO(世界保健機構)はリハビリテーションを、「能力低下やその状態を改善し、障がい者(disability)の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含んでいる。 リハビリテーションは障がい者が環境に適応するための訓練を行うばかりでなく、障がい者の社会的統合を促す全体として環境や社会に手を加えることも目的とする。 そして、障がい者自身・家族・そして彼らの住んでいる地域社会がリハビリテーションに関するサービスの計画と実行に関わり合わなければならない」と定義しています。
単なる機能訓練ではなく、その人が自分らしく生きるために必要なものすべてがリハビリテーションには含まれています。

痛みや炎症をやわらげる物理療法

炎症は治まっているものの、慢性的な痛みが続いているときに行います。患部を温めて血流をよくし、痛み物質や老廃物の排出を促して痛みをやわらげます。筋肉のこわばりをゆるめる効果もあります。一方、炎症によって、関節の腫れや痛みが強いときには温めてはいけません。その場合は、患部を冷やして炎症を鎮め、痛みをやわらげるようにします。

◆ホットパック

保温剤(シリカゲル)の入ったホットパックを患部に当てて、温めます。ホットパックは薬局で購入できます。詳しい使用方法は、薬局の薬剤師やかかりつけの医療機関で確認しましょう。

◆パラフィン浴

薬局などで市販されているパラフィンを温めて溶かします。そこに、患部を浸しては引き上げるということを、10~15回繰り返します。パラフィンはすぐに固まるので、そのままタオルでくるんで20分間ほど温めます。使用したパラフィンは繰り返し使うことができます。

◆電気療法

赤外線やレーザー、超音波、超短波、マイクロ波などを利用して、痛みがある部分を深部まで温めます。人工関節の方は金属が高熱になるおそれがあるため、使用できません。基本的には医療機関で行う療法です。

◆冷却療法
氷のうやビニール袋に氷と水を適量入れ、タオルやカバーにくるんで患部に当てます。氷よりも水を多めに入れ、ゆっくりと転がしながら冷やすとよいでしょう。

体の機能を保つ運動療法

関節の可動域を保つための運動
症状のある関節だけでなく、全身の関節を動かすことが大切です。関節リウマチの人に効果的な「リウマチ体操」を行いましょう。
リウマチ体操はある程度痛みが治まっているときに行います。動かしたときに痛みがある場合は、できる範囲で行うようにしましょう。


心肺機能を保つための有酸素運動

有酸素運動は心臓や肺の機能を高め、全身の血流もよくします。関節に負担のかからない水中ウォークやサイクリングなどがおすすめです。


機能低下を防ぎ回復を図る作業療法

関節リウマチでは、痛みが生じたり、関節の動く範囲が狭まったりして、日常の動作が不自由になることがあります。そこで、作業療法といって、手芸や図画工作、書道、パソコン操作などの作業を通して機能回復を図るリハビリを行います。関節リウマチでは、指先の細かい作業がしにくくなることがありますが、それを放っておくと機能はさらに低下していきます。作業療法を根気よく行うことによって、手や手指の機能を保ったり、回復させたりすることができます。患者さんがどれくらいの日常生活動作を行えているか、問診や触診などの診察から医師が判断し、それをもとに作業療法士がその人に適した作業を指導します。

作業療法は趣味として楽しめるものが多いこともメリットです。作業療法をきかっけに新しい趣味や生きがいを見つける人も少なくありません。

機能の悪化を防ぐ装具療法

装具とは、機能や身体に障害がある人の、身体的な機能を補う目的でつくられるコルセットやサポーターなどをいいます。これらは長期間にわたって使用されるようになります。装具をつけることに抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、装具には機能障害の悪化を防ぐ役割もあるので、上手に利用することを考えてみましょう。

装具は、医師や作業療法士、理学療法士、義肢装具士などと相談しながら、その人の体に合わせてオーダーメイドでつくります。医師の処方があれば公的医療保険の対象となります。

*装具の種類

頸椎カラー

手関節固定装具

指のスプリント

外反母趾のスプリント

足底板

腰椎コルセット

ひざ関節用装具(サポーター)

※「スプリント」とは、作業療法士が作製する簡易的な装具のことです。