治療の基本

関節リウマチ治療の4本柱

関節リウマチの治療は、「基礎療法」「薬物療法」「手術療法」「リハビリテーション療法」の4つを組み合わせることが基本です。
薬物療法を中心に、関節の機能を維持するためのリハビリテーション療法、関節の機能を回復させるための手術療法を、症状や病気の進行度に合わせて行いますが、治療の効果をあげるためには、患者さん自身が日常管理をする基礎療法が不可欠です。

基礎療法、薬物療法、手術療法、リハビリテーション療法

関節リウマチの治療は、患者さんと医師、看護師、理学療法士などの医療者が、手を携えて取り組みます

関節リウマチの治療目標

治療の目標は「寛解」です。寛解とは、関節リウマチの症状が、ほぼ消えて、病状がコントロールされている状態のことをいいます。
炎症反応がなくなり、患者さん本人も、周囲の人も症状を感じていない状態を臨床的寛解といいます。関節破壊の進行が抑えられている状態を構造的寛解、関節をはじめとして身体の機能が維持できている状態を機能的寛解といいます。これら3つを達成したときに、寛解と判断されます。そして、この寛解の状態を長く継続することが最終目標となります。

寛解

寛解の基準として、2011年に米国リウマチ学会と欧州リウマチ学会が共同で、T2T (Treat to Target)で目標にすべき寛解の基準を次のように定めました。1)

T2T (Treat to Target)とは、目標に向かって治療を行うという意味で、寛解を目標にした関節リウマチ治療のスローガンとなっています。

●日常的臨床における基準

以下のいずれかに該当する場合、寛解とみなす
1.以下の3項目を同時に満たす
圧痛関節数1つ以下、腫脹関節数1つ以下、患者全般評価 1/10以下

2. CDAI 2.8以下
CDAI = 圧痛関節数+腫脹関節数+患者による全般評価+医師による全般評価


●臨床試験における基準

以下のいずれかに該当する場合、寛解とみなす
1.以下の4項目を同時に満たす
圧痛関節数1つ以下、腫脹関節数1つ以下、CRP 1以下、患者全般評価 1/10以下

2.SDAI 3.3以下
SDAI = 圧痛関節数+腫脹関節数+患者による全般評価+医師による全般評価+CRP


1)Felson TD, et al. American College of Rheumatology/European League Against Rheumatism Provisional Definition of Remission in Rheumatoid Arthritis for Clinical Trials. Ann Rheum Dis 70: 404-413.2011


現在では、抗リウマチ薬のメトトレキサートや、バイオ医薬品の登場によって、痛みをとり去るだけではなく、病気の進行を抑えることが可能になりました。症状に悩まされず暮らすことができる「寛解」を維持することができるようになってきています。

また、それ以外にもDAS28という指標が2.6未満になった場合も寛解と呼ばれます。DAS28は、腫脹関節数、圧痛関節数、赤沈値、患者さんの全般評価の4項目から計算して得られる数値で、数字が高いほど重症の関節リウマチです。

●T2Tとは

T2Tという考え方は、2010年に欧州リウマチ学会を中心にまとめられたものです。その後、薬物治療がさらに進歩したことを受け、2013年には最新版のリコメンデーション(治療推奨)が発表されました。リコメンデーションは、4つの基本的な考え方と、10のステートメント(声明)で成り立っています。2) 3)

目標達成に向けた治療の基本的な考え方
目標達成に向けた治療の目標

2)Smolen JS, et al. Treating rheumatoid arthritis to target : recommendations of an international task force. Ann Rheum Dis2010- 69:631-7. 3)竹内勤. 治療戦略の進歩 Treat to Target. 治療学 44(10) 別刷:21-25.2010